デイトナ675のレギュレーターパンクの症状・原因・修理・対策 #Daytona675
最近、デイトナの故障・不具合の事例をまとめたいなと思い、ブログやらTwitterやらを漁って調べているんですが、ちょっと情報が整理しきれなくなってきたので、事例単位に切り取ってまとめることにしました。
今回は、おそらくデイトナの故障で最も報告例が多いと思われる「レギュレーターパンク」について書く
内容は随時更新。何か情報あれば、コメントいただけると助かります
症状
- 液晶メーター暗転
- エンスト
- バッテリーあがり
- セルモーターが動かない
報告事例
前期型
2008トライアンフ・デイトナ675 レギュレータ終了のお知らせ
再生時間 | 症状 |
---|---|
4:25 | 付近からメーターの明滅がはじまる |
7:57 | オイルランプ(油圧警告灯)点灯 |
8:06 | エンジン警告灯(エンジン管理誤動作インジケーターランプ)点灯 |
8:18 | エンスト(もしくはキルスイッチoff) |
後期型
経過抜粋
- ガソリンはあるが、燃料警告灯が点灯
- スピード表示が読めないくらいメーター液晶のバックライトが暗くなる
- その直後、走行中にもかかわらず、タコメーターがゼロを指す
- エンジン警告灯が点灯し、直後にエンジンが停止
- セルが回らない。セルボタンを押すとメーターのオープニングデモが動きだす
- しばらく時間を置いてもセルが回らない
原因
レギュレータの放熱不足による半導体の耐熱温度越えによる故障、ないし、耐熱温度に近い状態を繰り返すことでの劣化による故障
レギュレーターとは
ジェネレータで発電された交流電流を直流に変換し、バッテリーに供給しても問題ない範囲に電流・電圧を制御する装置
レギュレータとは (バイクバッテリー初期不具合の原因?)|車・バイクバッテリー交換なら格安通販のバッテリーストア
レギュレータが故障することで、
- バッテリーに給電されない => バッテリーあがり
- バッテリーあがり => セルモーターが動かない
といった症状を発症する
バッテリーが充電状態でもセルモーターが動かない場合、クラッチセンサーの接触不良のケースもある 1
モデル差
前期型('06~'08年式)が特に起こりやすい。レギュレータの取り付け位置が、クランクケース・中間パイプに挟まれる位置、かつ、走行風が当たりづらく、熱が籠りやすいため。
後期型('09~'13年式)は、レギュレータの取り付け位置が、右フロントウィンカーの裏側、カウル内に変更されているが、同様の問題発生が確認されている。
修理
パンクしたレギュレータ自体は修理できないので交換する。
応急処置
予備のレギュレータに取り替える
レギュレータを差しかえることで動作させることができる、という報告を確認。
デイトナ乗りの皆様、朗報です。レギュレータを持ち歩きましょう。ツーリング先でレギュレータが死んでもその場で交換すれば良いのです。配線だけ付け替えて、カウルにレギュをガムテープで貼っておけばとりあえず帰れます。工具もそんなに必要ありません。
— (株)ミカサ貿易 (@micasa_trading) 2017年8月23日
作業自体は簡単だけど、予備がないとどうしようもないので、なかなかハードルは高いw
バッテリー充電
ジャンプスターター等でバッテリー充電すれば、エンジンがかかるはず。ただし、バッテリーが尽きればまたエンストする。
ただし、レギュレータ不調の状態だと調整されていない状態の電流が流れることになるので、ライトバルブ・バッテリー・カプラに負荷がかかるので注意。
交換パーツ
純正レギュレータ
年式毎のレギュレータのWorldOfTriumph掲載ページは以下
'06~'08 前期型
'09~'13 後期型
WorldOfTriumphでの購入方法は↓を参考にどうぞ
社外品
後期型に対応している、らしい。取り付け事例は不明。
【対応車種】
TRIUMPH STREET TRIPLE 675 R675 2009年-2011年
TRIUMPH トライアンフ STREET ストリート TRIPLE トリプル 675 2009年-2010年
TRIUMPH トライアンフ STREET ストリート TRIPLE トリプル R 675 2010年-2011年
互換品・流用品
レギュレータ
レギュレータ自体はOEMパーツなので、他メーカーの純正パーツを流用可能。
スズキ GSX-R1000、GSX-S1000/F 2
型番は、32800-26J00-000。新電元工業製 FH020BA
ホンダ CBR600RR 3
前期型での取り付け実績有り。 コネクタ形状・端子形状が異なるのでポン付けは不可。新電元工業製 SH678FA
ヤマハ YZF-R14
スズキ GSX-S1000Fのレギュレータと同じ新電元工業製 FH020BA
新電元 Mos-FETレギュレータ FH0205
FH020は性能がよく、デイトナ675に限らず他の車両での流用事例が多いらしい。
見つかったFH020のデイトナへの流用事例では対応する年式について確認できなかったが、FH020AAのアタッチメントケーブルをebayで確認。06-12の記述があり、前期・後期ともに使えそう
Attachment Kit MOSFET Fh020aa Sh775 Triumph Thunderbird 1600 2009- for sale | eBay
※ 型番末尾のAA、BAの差異は不明。コネクタ形状の違い?
新電元 FH0126
FH020の旧型番。 流用事例は見つからなかったがFH020と互換性があり、こちらも使えそう。
カプラ
前期型
以下のカプラが使えるらしい7
後期型
互換品は不明。要調査
'09年式レギュレータのコネクタ
対策
リコール
2012年08月23日にリコールの届け出がされていて、レギュレータを対策部品と交換する対応が取られている。
改善箇所説明図 [PDF]
リコールの対応がされているかどうかは、ディーラーに問い合わせるか、トライアンフ東京の車体番号照会サービスで確認できる。
遮熱板取り付け(前期型)
レギュレータとクランクケースの間に金属板を挟み、エンジン熱がレギュレータに直接届かないようにする。
実施例
取り付け位置変更(前期型)
レギュレータのケーブルを延長して、取り付け位置を変更する。